名前:デュラ=ホームズ
性別:男性
年齢:不詳(外見年齢10代後半)
属性:闇、雷(風、炎)
能力:
死霊術および死霊の使役、人形(ヒトガタ)の作製
「対象」に死霊を憑依させ、思うとおりに使役することができる。
「対象」は種類を問わず、如何なるものに対しても憑依させることができる。
地水火風の術式を組み込んで死霊と対象を結びつける。
対象の物理的なサイズが大きければ大きいほど術式が複雑になるため、専ら媒介として小さな石に術式を宿し、対象の内部に埋め込むことが多い。
ただし、その場合は結びつきが薄く、利用寿命が短くなること、命令に対する動作が緩慢になるなどの欠点がある。
ワトソンの場合は、素材それぞれに対し細かな術式を組んでいるため、ほぼ人に近い姿、行動が可能。意思等については後述。
人物背景:
ネイチア大陸の東端にある、小さな村にて生を享ける。
幼年時には、村の多くの子がそうするように、農作業や畜産業を手伝いながら、大人たちに勉強を教わり、言葉や物事を覚えていった。
ある冬の日、一人の術士が村を訪れ、住むようになると、日々の勉強内容に魔法が加わるようになる。地水火風、一般的なものから、歴史まで。スタークロス学園のように、マナの扱い方や術の使い方を教えるわけではなく、概念のみのいわば歴史の勉強のようなもの。
冒険小説や漫画で目にする、魔法。年端も行かぬ少年にとっては最高の娯楽であったそれに、ホームズはどっぷりとはまっていくことになる。
青年期を迎えると、ホームズは術士の家に入り浸るようになった。会話をするわけでもなく、ひたすらに術士の所蔵する書物を読む日々が続く。術士は闇属性、特に死霊術に造詣が深かったようで、書物数も特に多かった。その中でも、死霊の使役、生命の創造という分野に興味を注いでいく。
ホームズは術士を「先生」と呼び、知識が多く、穏やかなその人柄を深く愛した。
この頃から、ホームズは書物に書かれた術式を少しずつ試していくようになる。
幾度かの春を迎えると、ホームズの身体は歳をとることをやめたかのように、一切の成長を停めた。榛色の瞳は赤く染まり、農作業で焼けていた肌が白くなった。
その常軌を逸した変化に、村人からは次第に疎まれ、距離を置かれるようになる。
この頃、家族はホームズ一人を置いて他の村へと移った。
その事はホームズの心に一抹の淋しさを与えたものの、すぐに書物への――術への興味から、忘れていくことになる。術を知ること、術を覚えること、術を使うこと――それだけが、彼の興味の対象であり、生きる全てであった。
術士は穏やかに歳をとりながら、その姿を傍らで見守っていた。
それから更に、幾度かの春。
病をうけて弱っていた術士が斃れる。たった一人の家族に等しい彼女を失うことで、
ホームズは漸く外に目を向けるようになった。
しかし、この頃には既に村の中でホームズを受け入れるような者は一人も居らず、
逆に気味の悪い化生として扱われることに、酷く衝撃を受ける。
悲しみに打ちひしがれた彼は、「完全蘇生」に挑み、彷徨っていた術士の魂を元の肉体に封じ込めることまでは成功する。
目を覚ました術士は、言葉を発することはなく、穏やかな笑みのままに村へ降り――人を喰らう化生となる。呆然と見守ることしか出来ないホームズへ、呪いの言葉を吐きながら、朝が来るとともにその短い仮初の命を完全に閉ざした。
この出来事を経て、彼は「完全蘇生」を禁じ手とし、人間の命を弄ぶ事を控えるようになる。
また、この事から、後述するワトソンの作製には、細かすぎるほどに注意を払っている。
完全に居場所を失った彼は、茫然自失としながらも、外の世界へと足を向けた。
自分の未熟さを補うために。
新たな術を学ぶために。
現在のスタンス:
過去の哀しい出来事を繰り返さないように、マナの扱い方、術の基本を身につけることに心血を注いでいる。
術を試すことはあっても、人目につかないように、被害が出ないように、細心の注意を払っている。
術に対する興味、好奇心は衰えておらず、自分が作製したもの以外のアンデッドを見ると、その術式を知ろうとする。
また、孤立した過去から、他人との関係を保つこと、交友を広げることを大事にしている。
普段は明るいお調子者を装っており、本性を見せると嫌われてしまう、と思い込んでいる。嫌われたくないから、少し気を遣いすぎるほどに気を遣うこともある。
命を弄ぶような術式は封印し、術に対するストイックすぎるほどの情熱も表には出さないようにしているが、心に抱えた深い闇が消えるわけではない。瘴気の濃い場所など、特定の状況下では村に居た頃の一面が覗くこともある。
“ワトソン”
本名:レティシア=エノヴァン
性別:女性(現在は人形のため無性)
年齢:製造年数3年(外見年齢、精神年齢ともに10代前半)
属性:闇、無
能力:
武器に変形する指輪を用い、手斧、ハルバード、槍、長刀、刀と、多種多様な武器を使うことができる。
ただし、それぞれの武器を扱えるだけであり、技などを学んでいるわけではない。
人物背景:
ネイチア大陸の南にある小さな村に生まれるが、ある日馬車に轢かれ、短い命を閉じる。
埋葬された後、暫く現世を彷徨っていたが、墓の前をたまたま通りがかったホームズと出会い、幾度か話をするようになる。
幼くして命を落とし、未練をかかえた少女の、叶うならば生まれ変わりたい、という意思を受けると、ホームズは暫く悩みながらも、蘇生を行うことを了承した。
かつて師に行った生体への憑依は行わず、少女の姿を模した人形を作ることから始まる。木材のひとつひとつ、木目に沿うように術式を織り込み、髪の代わりのガラス糸一本一本にも術式を組み込んだ。細かくも重厚、壮大な術式で、人形の身体に少女を宿すことに成功する。
ただしその術式は少女の魂を痛めつけ、数日間激痛に苛まれることになる。この時、ホームズへ深い憎悪を抱くも、術式に組まれた契約事項によって、少しずつ負の感情は薄れていくようになる。
数年の時を経て、学園に辿りついた彼女は、言葉は交わせなくとも、主人以外と接する事で少しずつ本来の少女らしさを取り戻している。

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